1歳頃から鼻水が出だすと中耳炎を繰り返していました。5歳の春、保育園の耳鼻科検診でひっかかり、中耳炎でお世話になっていた個人病院を受診した際、「そういえば左耳の鼓膜がきれいに治ったところを見たことがないなぁ」と言われ、一度何も症状が出ていない時の鼓膜を見てみたいとの事で2週間後に受診。やはり左耳の鼓膜が濁っていたため真珠腫の疑いで大きな病院へ紹介されCT検査を行いました。この時、聴力は問題ありませんでした。
そこでも真珠腫の可能性は高いとの診断でしたが、CT画像では中耳の中にあるはずの空間が全くなくなっていたこともあり、滲出性中耳炎の可能性もあるのでまずは鼓膜に穴をあけチューブを通してみてから滲出性中耳炎でなければ真珠腫の手術を行いますとの説明を受けました。また、出来る限りの真珠腫は取り除きますが、約1年後に再発がないことを確認した後に鼓室形成術を行うのでそれまでは左耳のみ聴力が落ちますとの説明もありました。
手術当日、怖がって大泣きしながら手術室へ。麻酔がかかる直前まで泣き続けていました。手術時間は約6時間。真珠腫はすき間なく広がり、小耳骨は一部が溶けてなくなり、味覚神経もすでに切れていたようです。この状態でなぜ聞こえに問題がなかったのかがわからないといわれる程でした。
手術後の子どもの顔は腫れ、病室へ戻ってからも「痛い」という元気すらないような感じでした。その夜は全身麻酔の副作用か嘔吐を繰り返し、鼻血まで出る始末。手術当日の夜は相当辛い思いをしたのではないかと思います。その後も暫くは食べ物を噛むと痛むようでヨーグルトやゼリーばかり食べていましたが、日に日に痛みも薄れていったようで、4〜5日後には病院内を動き回り、約1週間で退院することができました。
退院後は1週間後、1か月後、2か月後と受診までの期間もだんだん長くなり、点耳薬も3ヶ月ほどで終わりました。その後は2回目の手術に向け3ヶ月ごとに受診しました。
2回目の手術は約10か月後の翌年8月初旬に行いました。再発はなかったようで、鼓室形成術のみで終わったため4時間弱の手術でした。ただ、手術当日はやはり嘔吐を繰り返し、今回は「痛い」という元気もあったので一晩中「痛い、痛い」を繰り返していました。
2回目の入院は相当なストレスがあり、入院中はイヤを連発し、看護師さんの言うことも聞かず、診察にも泣いて行かず・・・の問題児ぷりでした。食事も病院食は嫌がり、親の食べるものばかり食べていました。2回目も1週間ほどで退院しましたが、1回目より元気な分、病院内をどれだけ歩き回ったかわかりません。
退院後は1回目と同様、1週間後、1か月後、2か月後と受診までの期間が増えていきました。点耳藥も2ヶ月ほどで終了しました。ただ、術後は車酔いがひどくなり、半年ほどは車に長時間乗ることをいやがりましたが、それも徐々になくなっていきました。
2回目の手術から1年が過ぎた現在、年2回の定期受診で経過観察を行っています。聴力は先生が思ったほど回復していないようですが、普段の生活には問題ありません。年1回CT検査を行い、再発がないか確認してもらっています。
わが子の真珠腫は骨を溶かすほど大きなものになっていましたが、症状があまり出ていない状態で良く見つかったと思うのと同時に、「きれいな鼓膜を見たことがない」ことにもう少し早く気づいてもらえれば、ここまで広がる前に、せめて骨が溶ける前に手術ができたのではないかと悔やまれます。
|
|